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スペシャルキッズに、

おもちゃと遊びの場を

おもちゃコンサルタント 齊藤有紀さん

齊藤有紀さん(大阪府北摂市)

2011年におもちゃコンサルタント養成講座修了。中学の時に障がい児通園施設にボランティアで参加したことをきっかけに、病気や障がいをもつ子どものための保育士になる夢をもつ。大学時代におもちゃコンサルタントを取得後、関西グッド・トイ委員会の活動に参加。2016年7月、難病や障がいをもつスペシャルキッズ)とそのきょうだいたちに、おもちゃコンサルタントのメンバーがおもちゃと遊びを提供するボランティアのグループ「といぽけっと」を結成。平日は保育士の仕事をしながら、休日にはといぽけっとの仲間と、病院や施設のイベント会場を訪れておもちゃ遊びを提供している。

※重い病気や障がいを持ち、特別なケアを必要とする子どもをスペシャルキッズとよんでいます。

ボランティア活動を続けた学生時代

大阪府の保育園に勤務する保育士の齊藤有紀さんは、関西を中心としたおもちゃコンサルタントからなるボランティアグループ「といぽけっと」を立ち上げ、病院や施設のイベントでスペシャルキッズのおもちゃと遊びの活動を行なっています。

齊藤さんとおもちゃとの出会いは、中学時代の夏休みに参加した障がい児施設でのボランティア活動でした。

「とても楽しくて、子どもたちがかわいくて。ボランティアというよりも、そこで私も一緒に育ててもらった、という感じです」

と齊藤さん。夏休みの後も通い続け、施設の保育士に教えてもらいながらおもちゃ作りにも挑戦。自分が作ったおもちゃでうれしそうに遊ぶ子どもたちを目の当たりにして、手作りおもちゃと子どもとの遊びに夢中になりました。

将来もここで働きたいと、保育士の資格をとるために大学の教育学部へ進学。大学の教授からおもちゃコンサルタントのことを教えてもらい、20 歳で資格を取得。卒業後、保育士として働きながら関西グッド・トイ委員会のおもちゃの広場、キャラバンなどに参加するなか、あるイベントで出会った大阪市立総合医療センターの医師に病院のイベントでのおもちゃと遊びの場を依頼されたことが、現在の活動のきっかけとなります。

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わらべうたを歌いながら風を起こす大布遊びはいつも大好評。小さな子どもが多いため、心地よく優しい風になるようにやわらかい布を用意します

「遊び」は「学びと成長」に大切なもの

といぽけっとの初めての活動は、大阪市立総合医療センターで開かれた「あそびかたフェスタ」でのホスピタル・トイ・キャラバン。病気や障害のある子どもたちにたくさんのおもちゃと遊びを届けました。以来、病院や療育施設などのイベントへ精力的に足を運び、スペシャルキッズとそのきょうだいにおもちゃと遊びを届けています。

2018年からは、毎月1回ほど、退院後すぐや在宅の子どもと家族を対象におもちゃと遊びを提供する定期的な活動もスタート。そのほか、講師として保護者や医療関係者、学生にスペシャルキッズとの遊びのスキルを伝授する講演活動も行なっています。

「楽しかった、また参加したい!」という喜びの声や笑顔が活動の原動力、と齊藤さん。

「病院では命を守ることが最優先のなかで、遊びはどうしても後回しにされてしまいますが、子どもは遊びから、学び、成長・発達をしていきます。子どもたちの意欲と遊びを大切にしていきたいんです。」

活動を通じてその思いが伝わるためか、協力したいという医療関係者や、他団体からの依頼の声が次々に舞い込みます。​

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ちぎったお花紙を飛ばしています。これを集めてクリスマスリースを作りました。

関西で、もっと「おもちゃ遊び」をしよう!

「関西ではスペシャルキッズの遊びを提供している団体が少ないので、その大切さを伝えるためにも、今後はさまざまな病院や施設で活動を広げていきたい」

と齊藤さん。そのためには、財源の確保と仲間を増やすことが課題だといいます。当初は私物のおもちゃで活動していましたが、2017年には芸術と遊び創造協会の助成金を得て新しいおもちゃや活動に必要なを購入することができました。

 

これからも齊藤さんは多くの人たちとの関係を育みながら、病気や障がいをもつ子どもとその家族がおもちゃと触れ合うための活動を続けていきます。

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夏のしりとりうたにあわせて絵をめくって、キャンプファイヤーごっこ。季節を感じられる遊びを必ずとりいれるようにしています