貝阿弥ひとみさん(沖縄県宜野湾市)
2010年おもちゃインストラクター、2011年おもちゃコンサルタント、2014年おもちゃコンサルタントマスター取得。現在、認可保育園で保育士として勤務。宜野湾市内児童センターでは小学生対象の手作りクラブ講師も行う。病児の遊び支援ボランティア活動は、沖縄県立南部医療センター・こども医療センター、琉球大学医学部付属病院にて、月1回のおもちゃの広場を開催中。
子どもたちの笑顔を引き出すために、
私に何ができるか?
貝阿弥さんが病院でのボランティアに興味を持ったきっかけは、沖縄県立南部医療センター・こども医療センターが設立されると知ったことでした。こども病院に来る子どもたちのために、何か自分にできないだろうか。そう思い、ボランティア養成講座を受講し活動を始めました。
「ボランティアを行っている中、「こども達の笑顔をもっと引き出すには、何ができるか?」を模索している時に、“おもちゃコンサルタント”の案内が目に飛び込んできたんです!これだ、って思ってワクワクしました!」
貝阿弥さんは、2006年開院の沖縄県立南部医療センター・こども医療センターの病院ボランティア1期生
少しずつ、沖縄県内で広げていった
「病児の遊びの支援活動」
2012年に沖縄県立南部医療センター・こども医療センターにて開催した「ホスピタルキャラバン」から始まって、貝阿弥さんは少しずつ県内各地の病院へ活動の輪を広げていきました。
2014年には沖縄県内6カ所の病院で2カ月をかけてホスピタルキャラバンを順番に開催、2015年からは、琉球大学医学部付属病院小児病棟にておもちゃの広場の開催が始まりました。さらに、他団体の活動にも協力して、「おもちゃの広場」の提供も。
2018年は、東京おもちゃ美術館の姉妹館、国頭村の「やんばる森のおもちゃ美術館」の協力の元、沖縄の材をたっぷり使った木のおもちゃセットを使い、「やんばる木育キャラバン」を展開中。11月で11カ所終了、さらに3カ所での開催が決まっており、医療・福祉関係の現場で開催を続けていく予定です。
沖縄県国頭村「やんばる森のおもちゃ美術館」
木目の美しさ日本一といわれる沖縄のリュウキュウマツのたまごプール
全ての子どもに、遊びを楽しむ権利がある!
「病院では、子ども達は大変な治療を受けながら、自分の思いとは反対に、様々な制限を日々強いられています。その中に少しでも、楽しめること・笑顔になれることがあればと思います。子ども達は遊びの中で沢山のことを学びます。遊びを通しての友達との関わり、五感への刺激など、おもちゃの役割はとても大きいのです。」
どの子にも、おもちゃで遊んで笑顔になってもらいたい。だからこそ、おもちゃの広場開催にあたっては、病院保育士さんとその都度相談しながら、活動内容を決めていきます。
点滴・ラインが付いているお子さんへの配慮を考えたり、病状によってのおもちゃ選びを工夫します。
「長期入院中のお子さんの中には、自分の病室から出てこず、コミュニケーションを拒絶する子も。そんな時は無理強いをせず、おもちゃを使うことで気持ちをほぐしていきます。アナログゲーム遊びの時間を取り入れることで、徐々に友達との交流が生まれ、その子の表情が明るくなってきた様子は、本当に嬉しかったです。」
病児・ご家族だけでなく、
病院スタッフにも楽しさを伝えたい!
今後は、お子さん・ご家族だけでなく、病院スタッフにもおもちゃの楽しさを伝えていきたいと、病院保育士との連携を広げるために、医療保育研究会などにも積極的に参加されています。
2018年で4回目となる「病児の遊びとおもちゃケア」沖縄フォーラムでは司会を担当。病児・障がいをもつ子どもが豊かな生活を送るために必要な環境について、子どもに関わる様々な立場の人たちと一緒に考える場を中心になって作っています。
いつも弾けるような笑顔で、周りの雰囲気を明るくしてくれる貝阿弥さんですが、「私も子どもたちやボランティア活動に関わる人たちの笑顔に支えられて、病児の遊び支援活動を続けています。」と語ってくれました。
活動の中で出会った仲間たち。子どもたちと仲間の笑顔が元気の源です。